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お父さん お疲れさまでした

昨日、夫の告別式を無事終えることができた。

夫は大学の教員でした。

2010年に大学を離れてから10年目。

高校、大学時代の友達、教員時代の同僚、教え子、施設でお世話になったスタッフの皆さん.等

100名あまりの方が通夜に夫に会いに来てくださった。

夫が高校時代に演劇部に所属していたことを、供花のお札を見て初めて知った(笑)

私と夫は大学1年生の語学クラスで知り合った。

友達の関係から恋人の関係になり、やがて夫婦の関係となった。

11年前からは介護者と被介護者という関係にもなってしまった。

40年以上こんなに密接な関係を結んでいるのだから、

私が彼の全てを知り尽くしていたのかというと

決してそんなことはないわけで、

私が参加していない彼との思い出がたくさんあり、

その思い出を心の中に長い間大切にしまっている方が沢山いらっしゃる

ことがわかって、何だかとってもうれしかった。

(あっこれは別に彼の愛人や隠し子がいっぱい来たっていう意味ではないです)

多くの方が私に夫との心温まるエピソードを涙ぐみながら教えて下さった。

夫への長い手紙を私に渡してくださった方もいた。


発病後、自己肯定感の低下に苦しみ、己をののしりながら壁に頭をぶつけていた夫

閉ざされた狭い空間で毎日を過ごし、お金を持つことも自由に外出することも許されなった夫


自分のお葬式にこんなに沢山の方が来て下さって、彼の人柄や仕事ぶりをほめていたことを

知ったらすごく喜んで少しは自信を取り戻せたのになあ、と思う。

「自分のお葬式は見ることができない」のが人生のお約束事なのだから、こればっかりは仕方がないのだが。

その代わりに、私と娘たちがお褒めの言葉を頂戴して、

「お父さんすごい。」ってちょっぴり有頂天になることができました。


 お世話になったS施設からもスタッフさんが5人も会いに来てくださった。

私たちが式場にS施設での夫の写真を沢山飾ったことをとても喜んでくださった。

「だって、S施設での夫の写真がどれもこれも本当に心から楽しそうな顔をしているから、

沢山飾っちゃったんですよ!」

と言いながら、写真を見ながら思い出話に花を咲かせた。

もうS施設に行く用事がなくなってしまったと思うととても寂しい。



介護は私たち家族に沢山の良き出会いや学びの場を与えてくれたように思う。

辛いこともたくさんあったけれども、今思い出すことは楽しい思い出ばかり。

辛かったことはこの際全て忘れてしまおうと思う。


小さくなって帰ってきたお父さん。これからも私たちをしっかり見守って下さいね。
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テーマ : ポジティブでいこう!
ジャンル : 心と身体

コメント

No title

お葬式にたくさんの方がお見えになって、だんな様の人脈の広さがわかります。
職業柄、教える側だっただんな様ですので、認知症との葛藤は、夫とは全く違うものがあったと思います。
夫の場合は最初から全く病識がなかったですので。
でも、楽しい想い出が心に残っていると言うルッコラさんの言葉で、だんな様に対する愛情が感じられます。
これからは、寂しさもあると思いますが、ルッコラさん自身の大切な時間をお過ごしください。

No title

mihiro様
フルマラソンを完走した時の感覚に似ているかもしれません。
走っている時は辛くて逃げ出したい気持ちでいっぱいでしたが、終わってみると楽しかったエピソードを思い出したり、もう少しここを頑張れば良かった時反省したりしています。
病気の受け入れ方は人それぞれですよね。mihiro様の言うことを素直に聞いて下さるご主人が心底うらやましかったです。途中は頑固者で大変だったけれども、最後があまりにも可哀想だったのでもう全て許しちゃいます。

No title

ルッコラ様

お疲れさまでした。

自分の時は皆さまの優しい言葉にとても心が癒されたのに
なんと言葉をおかけしてよいか分かりません。

若年性認知症に翻弄されてきたご主人とルッコラさん
それでも今思い出されるのは楽しい事ばかりと・・・

これから会える人、行く場所がなくなり寂しくなりますが
どうかどうかお体を大切になさってくださいね。

No title

さくら様

コメント有難うございます。グアムはいかがでしたか。
夫がお世話になった施設が本当に童話の世界に迷いこんだように素敵でした。
今は仕事と諸手続きに追われて正直寂しいと感じる暇がありません。
三月になったら山登り、ランニング、旅行、やりたいことがいっぱいあるのですが、果たしてどうなることやら。まずは全ての支払いを済ませなくては!

お疲れ様でした

ルッコラ様
ずっとずっとブログを読ませていただいていました。
パソコンの調子や、タブレットの登録等で暫く読めないまま、
ご主人様が旅立たれた事を、今知って驚いています。
いつから読んでいなかったのか?
2019年お正月辺りからです。
一気に読ませていただきました。
もう、ビックリです。

用水路の散歩。
微笑ましい会話もできて、美味しいものを食べて、
ルッコラさんもお仕事でご活躍されて、走って、
平穏な日々が続いているものだとばかり思っていました。

どんな思いで過ごされたかと、自分の事のように感じてしまいました。

まだまだと思っていても、別れは必ずいつか来るのですね。

私の夫は、胃ろうをして特養のベットで過ごしています。
話す事も歩く事もできませんが、静かに安定しています。
今がチャンスとばかりに、私は長年の夢だった「スイスでスキー」に行ってきます。
罪悪感もあってか自分のブログに書けないでいました。

不謹慎かもしれませんが、ルッコラさんのブログを読ませていただいて「しっかり生きよう」と勇気をいただきました。
ルッコラさんなら、わかってくださるという気持ちになって、コメントさせていただきました。

まるで小説を読んでいるような素晴らしい文章です。
ありがとうございました。

まだ、いろいろ大変な毎日と思います。
お身体に気をつけて、これからもブログを続けてください。

No title

らら様

コメントありがとうございます。
ご主人胃ろうで安定した毎日を送られていてよかったです。
是非スキーに行ってご主人の分も楽しんでいらしてください。
介護者はご主人の介護のために生かされているのでなく、自分の喜びのために生き続けてほしいと思います。
その喜びの全てを認知症になってしまった配偶者と共有する必要はなく、それぞれが別の世界をもっていて、そちらに喜びを感じても良いんじゃないかな~と思ってブログを書いていました、

私は両親、義父母、夫がすべて天国に行ったので、これで介護は卒業です。
らら様はまだ大変な毎日が続くと思いますが、どうぞご自愛ください。
時々ららさまのブログにもお邪魔しますね!



介護者の心身の健康

ルッコラさん、ららさん、

おふたりとも大変な状況を経験され、今があります。
介護は一筋縄ではいかず、やり遂げるまでさまざまな試練があります。
その経緯は神のみぞ知る、です。

介護者が心身の健康を保つことがなにより肝要です。
私自身は、命がけで写真をやっていましたから、フイルムの現像、プリント(焼き付け)などに全神経を集中したことが、ひとりでふたり抱えたときをメンタルを壊さずに乗り切れました。
母のの写真撮影も本末転倒にならないときまで続けました。
私にとっては、まさに「写真と介護が車の両輪」でした。

認知症の発症は本人にとっても家族にとってもまさかまさかの出来事ですが、特に家族が異変に気付くのはある程度進行してからですから、そこからはそのときベストの対応・決断をやっていくのみ。

介護職の方にはお世話をしていただいているので本当に感謝しかありませんが、家族は看取りまで長期間にわったって責任者としてかかわっていくわけですから、そのストレスは特別なものがあります。

ららさんには、介護を続けていくモチベーションが重要なのだと思います。
モチベーションの保ち方は人それぞれでしょう。

「認知症の人と家族の会」で活動してくださっている方々にも感謝と敬意を抱いていますが、私自身が抱えている問題は個人で解決していく種類なので活動に参加はしていません。
ただ介護後は介護家族や原発事故被災者など身近なところで大変な人を支えることはできたと思います。

自分の人生の主人公は自分自身です。
おふたりのこれからの人生がどうぞ悔いの少ない人生でありますように!2644

No title

miki様

コメントありがとうございます。
どんな苦しい時であっても、何かくすっと笑えるようなことがある気がします。
暗いニュースが続いていますが、これからは自分の思う通り楽しみながら社会に貢献していこうと思っています。miki様もどうぞご自愛くださいませ。

新しき時代の来たるという・・・

ルッコラさん

私の思いをここに書かせていただくことをお許しください。返信は不要です。

ルッコラさんやららさんの考え方・生き方に「新しい時代が来たんだなあ」と実感しています。
2005年10月の新宿コニカミノルタでの「父よ、母よ~認知症の両親の命を見つめて」という写真展前夜、石川啄木の「新しき時代の来たるといふわれの言葉に嘘はなけれど」が脳裏に浮かんだのですが、その理由が漸くわかりました。

2005年9月23日にNHK第2チャンネル(現在Eテレ)で認知症の特別生番組が組まれ、ものすごい反響があったのです。私のメッセージも4つテロップで流れ、「認知症と家族に理解ある社会の実現を切に望む」が最後から2つ目に流れました。最後のメッセージは「この地獄と孤独から解放されたい!(言葉は不正確ですがこういう意味でした)」で、今思えば在宅でひとりで介護していらっしゃる方の悲痛な叫びだということが理解できます。

写真展はその直後だったので、あの番組の余韻というか熱が私のなかに残っていたのでしょう。偏見との闘いを掲げていたので武者ぶるいをしましたもの。ああ、戦国時代の武将たちは本当に戦で命を失ったんだなあ、と。

あれから14年余、「介護への因習や認知症への偏見による周囲からの非難」とは無縁のおふたりをみていると心底すばらしい時代になったんだなあと思います。
もちろんおふたりが恵まれた環境だとは重々承知です。大変な方が多いんだろうというのも承知しています。

ただ、介護だけでも大変なストレスを抱えている家族に対する無知や知ったかぶりや思い込みによる厳しい非難と無縁のおふたりが現実に存在していらっしゃることに大きな喜びを感じます。

そう、介護だけが人生ではない。そういう生き方も受け入れられるべきです。介護を放棄したわけではないのですから!

ただのんた2号さんやスリブリさんのように献身的に活動していらっしゃる方には頭が下がります。私が偏見との闘いに使命を感じたようにご本人の介護及び情報発信・啓蒙活動に使命を感じていらっしゃるのだと思います。

私自身のことは、「かかわった人を赦す」という精神状態になれたときに本当に前を向けるのでしょう。介護関連の本のみならず、多くの本や、多くの人の生き方から力を得ています。

るっこらさんご一家のご活躍を心より応援しています。
社会の第一線で働くということは大変なことですから!

訂正

啄木の歌は

「新しき時代の来たるを信ずといふわれの言葉に嘘はなけれど」

でした。
正しくは3行書きですが。

「痴呆」から「認知症」へ。
2004年の認知症新時代の幕開けから15年です。

「多くの人の努力の積み重ねの上に今がある」
感謝!です。
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プロフィール

ルッコラ

Author:ルッコラ
ルッコラとバジルと走ることが大好きです。
家族は夫と娘二人と黒いフレンチブルドッグのラッキー君。
2009年に若年性アルツハイマーと診断された夫は、在宅介護と認知症専門病院の入院を経て、有料老人ホームで穏やかな療養生活を過ごしていましたが、2020年の1月に肺がんで永眠しました。
11年間の介護生活で大変だったことや、楽しかったことを綴っています。

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